Galaxie®、射出成形機における旋回アームの超精密な動作を実現
ドイツのオートメーション専門企業 HEKUMAは、高い動的能力で2台の並列射出成形機を操作する旋回アームのためのサーボ駆動システムを探していました。高いトルク密度と卓越した位置決め精度を理由に、同社の設計エンジニアに選ばれたのが、弊社の Galaxie® D駆動システムです。この減速機は優れた原理の運動力学を備えており、お客様のあらゆる要件を容易に満たします。
HEKUMA: 射出成形機の分野で随一の高性能オートメーションシステム
ドイツ、ミュンヘン近郊のハルベルクモースに拠点を置くHEKUMA GmbHは、射出成形プロセス用高性能オートメーションシステムのトップメーカーです。同社の中核事業分野は強力な取り出しシステム、射出成形機および金型の組み込み、取り出し、さらには処理、組み立て、ラベリング、テストおよび包装段階に至るまでの完全なターンキーソリューションが中心です。1974年の設立以来、医療、自動車、包装機械、および消費財産業の顧客向けに5,000台以上を出荷してきました。
Galaxie®: 優れた原理
Galaxie® は一線を画する全く新しい減速機
その決定的な特性は、固定ギヤリングの代わりに採用されたスラスト歯、数学的に正確な同期走行を伴う複数歯による完全な面接触、およびセグメント化された外部レースリング付きの新しいベアリングです。これらの新機能から、まったく新しい設計原理が生まれ、Galaxie® 減速機の運動力学は、市場標準と比べて、従来の遊星歯車、サイクロイド、偏心型、および標準波動歯車減速機より、あらゆる技術分野で明らかに優れています。
こうして、ハイパフォーマンスエンジニアリングのまったく新しい生産性の機会が生まれ、エンジニアや設計者の努力次第で飛躍的な進歩を成し遂げることが可能になりました。
分離式のスラスト歯と、全表面にわたる複数歯の接触による、きわめて高いねじれ剛性
安定して優れた位置決め精度を達成できることが、HEKUMAの射出成形機の旋回アームには決定的な要因でした。Galaxie® Dは、高いねじれ剛性と、1分未満という回転方向バックラッシュによってこの性能要件を満たしています。分離式のスラスト歯の運動力学によって、1枚1枚の歯がトルク伝達時でもほぼすべて同時に噛み合うようになり、それも剛性に寄与します。さらに、個々の歯の歯面とリングギヤは対数らせん型に設計されています。そのため、動力は複数の歯によって面接触で伝達され、接触面比率が大幅に高くなります。
安定した永続的な回転方向バックラッシュ ― バックラッシュフリーバージョンも
HEKUMAが求めた位置決め精度の2つ目の観点は、回転方向バックラッシュの問題でした。理論上、弊社のGalaxie® Dはバックラッシュフリーバージョンとしても設計が可能です。しかし、オートメーション専門企業の設計者が選択したのは、1分未満という低バックラッシュでした。ねじれ剛性と組み合わせると、精度の要件を最適に満たすことができ、位置決めのときに発生する圧締力が吸収されます。
メンテナンスフリーを前提に開発
運動学的な原理により、弊社の Galaxie® Dは射出成形機の旋回アームで、サービスまたはメンテナンスを恒久的に必要とせずに使用できます。歯形状は、対数らせんの原理で設計されているため、動作は数学的に正確に同期します。しかも、負荷がかかるときには圧力分布が均一で、流体潤滑によって摩擦に起因する摩耗粒子や、減速機における潤滑剤の汚染が防止されます。潤滑油は、Galaxie® Dの取り付け位置に応じて選択し、適用されます。
位置決め精度を最高レベルで制御
機械的精度の利点が、最高レベルの位置決め精度の制御にもつながるように、SICK STEGMANNによるSEM90 ロータリーモータフィードバックシステムが、HEKUMAに用いられたGalaxie® Dに初めて装着されました。この全感知マルチターンシステムによって、サーボ駆動装置を高分解能で位置決めできるようになります。機械的なマルチターンは、最大4096回転します。センサはバッテリーバッファなしに動作するため、これまで寿命になったバッテリーバッファを交換するときに発生していたコストと時間もかからなくなります。SEM90は、HIPERFACEを介してSEW Eurodrive MOVIDRIVE インバータに接続します。
Galaxie®: あらゆる原理で期待に応える
位置決め精度、コンパクト設計、高い動的能力、メンテナンス不要 ― こうした特性のすべてが、HEKUMAがGalaxie®を導入する大きな要因となりました。取り付けスペース、出力密度、精度に関する特定要件のもとで、減速機は他の搬送軸にすべて組み込まれています。