絶対的なゼロバックラッシュ、比類のない剛性、最適な伝達性能、工具駆動ケーブル用の大きな中空軸によって、上部タレットでねじれ剛性の高い、極めて高精度の減速機ソリューションが誕生しました。つまり、上部タレットを無段階に高精度で位置決めし、複数の軸で補間しながらワークを加工することが可能になるということです。これは、ハースカップリングと油圧クランピングでは不可能でした。新しい INDEX ABC では、どちらのコンポーネントも一掃されています。Galaxie^® を採用した結果、加工できる部品の範囲が大幅に広がりました。

画期的な Galaxie^® 高性能減速機は、INDEX のような高精度機械メーカーの要求を十分以上に満たします。固定の歯車に代わって採用された独立のスラスト歯、はるかに小さい線接触に代わる歯の噛み合い時の面接触、そしてセグメント化された外部リングを持つ軸受設計という主な特性を備えており、重要な技術的パラメータすべてにおいて、サイクロイド減速機など他の減速機技術よりもはるかに優れています。極めて高い剛性はゼロクロッシングで負荷が変動する場合でも一定であり、最大伝達可能トルクを減少させることがありません。さらに、流体力学的潤滑によって Galaxie^® 減速機では機械的摩損や摩耗といった欠点をほとんど無視できます。この点は、インボリュート減速機やサイクロイド減速機とは対照的です。

主な課題は、工具の位置決めの再現性とシステム全体の剛性でした。さまざまな Galaxie^® 減速機を試した結果、最適化された内蔵軸受のコンセプトを採用した新しい accuracy line の Galaxie^® GS 190 を使用することで、最終的に目標を達成することができました。内蔵軸受は、可能な限り最高のラジアル位置繰り返し精度を実現することができ、これが採用上の重要な決め手となったのです。この点では、WITTENSTEIN も INDEX との緊密な協力関係から利益を得たといえます。機械メーカーが必要とするラジアル位置繰り返し精度を、WITTENSTEIN のテストラボで測定することができたからです。その結果、WITTENSTEIN は高精度減速機の有効なラジアル位置繰り返し精度を測定し、デジタルツインに転送することもできるようになりました。

新しいタレット技術の採用で、エンドユーザーはサイクルタイムを改善し、生産性を向上させることができます。この減速機によって、上部タレットを無段階に高精度で位置決めできるため、CNC旋盤の機能が大幅に向上します。Y軸機能により、ABC刃物台によるオフセンター穴開けや表面フライス加工、さらには刃先の中心高さ調整などが可能になっています。これにより、小さなドリル加工をより正確に行う一方で、刃先の高さ変化で切屑パターンの改善が図れます。  

追加された多くの新機能
もうひとつの利点は、ダブルツールホルダーを使用できるようになったことです。同じタレットサイズとスロット数で、工具容量を7本から最大14本の固定工具または駆動工具に増やすことができます。対応数が増えれば、姉妹工具や広い加工範囲に使用できます。もう一方のステーションには、バック加工用の同期スピンドルが常時設置されます。こうした追加機能のすべてによって、新しい INDEX ABC で加工できる部品の範囲は大幅に広がります。Galaxie^® 減速機のギヤ比と機能関連の効率が高いため、INDEX はCNC旋盤のエネルギー効率を改善できました。Galaxie^® 減速機の使用は、将来的に完全な油圧不要の機械への扉を開きます。

Galaxie^® 減速機によって、そこに新しい章が加わりました。高性能減速機により、連続可変タレット、Y機能、高さ調整、マルチホルダーへの切り替えなど、大幅な改良が実現しています。その結果、小型で極めて高速なこの CNC旋盤は、少量生産と複雑な形状が求められるという現在の市場トレンドに合致しています。優れた価格性能比に、Galaxie^® の技術が大きく貢献しています。つまり、将来的に INDEX ABC は、これまでなら高価な機械を必要としていた部品にも使用できるようになるということです。